いくら国外財産を持っているか？国外財産調書の提出義務がある人

海外投資が流行っているようです。確かに、経済が萎む傾向にある日本に投資するよりも、今後大きな成長を遂げる東南アジアに、例えば、これから開発される東南アジアの不動産に投資した方がキャピタルゲインは大きくなりそうです。

さて今回は、海外投資に関連して、国外財産調書制度のお話です。

国外財産調書制度とは？

国外財産調書制度とは、日本の居住者が12月31日おいて国外に財産を保有する場合に、国外財産調書を作成して所轄の税務署に届けなければならない制度のことです。

今年2013年12月31日の国外財産保有分から、国外財産調書(保有する国外財産の内訳明細書)を税務署に提出する必要があります。

ただ、すべての国外財産について国外財産調書を提出する必要があるわけではないのです。

国外財産調書を提出する義務のある人は？

それでは、まず誰がこの国外財産調書を提出する必要があるんでしょうか？

それは、日本の居住者が提出する必要があります。

さて、その居住者とは、どういう人のことを言うか？

原則として日本国内に住所を有する、または継続して１年以上、居所を有する個人のことを言います。

この住所とは、生活の本拠のことを言います。

居所とは、住所以外の場所において人が相当期間継続して住む場所で、かつ、生活の本拠という程度には至らないものを言います。

いくら以上の国外財産を持っていれば、国外財産調書を提出する必要があるのか？

では、金額にしていくら以上、国外財産を保有している場合に、国外財産調書を提出しなければならないか？

それは、国外財産の時価ベースで5000万円超保有している場合です。

感覚的に、国外財産を5000万円超保有している人は少ないかもしれません。
フツーに働いている人にとっては気の遠くなる話です。

ただ、国外財産5000万超保有している人は要注意です。国外財産調書を提出しない場合は罰則規定があるからです。

国外財産調書の提出が必要となる国外財産の判断基準

ところで、この国外財産調書の提出が必要になる国外財産とは、どういうもののことを言うのか？

国外財産と判定するための基準をハッキリしておく必要があります。

国外財産の判定は次のようになります。

1. 動産および不動産・・・その所在地
2. 預貯金・・・その預貯金を受入れた営業所の所在地
3. 貸付債権・・・その債務者の住所または本店所在地
4. 社債または株式・・・その社債または株式の発行した法人の本店所在地

国外財産が5,000万円超に関する注意点

国外財産が5,000万超か否か、算定する際に気をつける点があります。

それは国外財産に債務は含まれません。どういうことかというと、6,000万円の借入をして6,000千万円の不動産を購入した場合は、ネットで０→調書の提出なし、と考えるのではなくて、6000万円の不動産を保有しているものとして国外財産調書を提出します。

最近、「資産フライト」という言葉を雑誌や書籍で目にする機会が多くあって、その雑誌などではよくHSBCの話が掲載されてます。このHSBCの本店に口座を開いて多額の資産を保有している人達は注意が必要です。提出しない場合は、罰則規定があります。

 - 所得税, 税務