自己責任で泣き寝入りしないためにNISAのデメリットを理解する

昨日(2013年9月19日)のニュースによると「NISA(少額投資非課税制度)」の口座開設予約が９月末で322万件の見通しと日本証券業協会が発表したとのことです。

2013年9月20日付の日経新聞では最終的にNISA口座は600万と予想しているようです。

最近、NISAについてはCMや新聞広告など多数、目にすることがあって、証券会社によっては電話営業、都銀からは漫画付DMなどが発送されています。

個人的にも、電話営業や漫画付DMで営業を受けてます。

いろんなNISAの広告を見るにつけ思いますが、NISAについてのデメリットの説明が相当不十分なように思います。デメリットについては留意事項の１項目として、小さな文字で「損益通算できない」「繰越控除できない」とあっさり解説されているにすぎません。
NISAは「非課税」というメリットだけが一人歩きしている状態ですね。

既にNISA口座を予約した322万人のうち、どれだけデメリットを正確に理解している人がいるんでしょうか。

NISAスタート後、運悪くそのデメリットに遭遇してしまえば、『自己責任』という便利な言葉に片づけられてしまう被害者が多数発生してしまいそうです。

今回は、その見込被害者に向けて、NISAのデメリットについて再度簡単に解説します。

NISAのデメリット

NISAのデメリットは損益通算が出来ないこと、繰越控除できないことにあります。この2つがNISAのデメリットのわけですが、わかりづらいと思うので下で簡単に説明します。

損益通算とは
所得Aが+600万円、所得Bがマイナス800万円の場合、AとBを合算するとマイナス200万円になります。損益通算した場合、マイナスなので税金を支払う必要はなくなります。これが損益通算の意味です。

NISAのデメリットである損益通算できないとは

上の例でいうと、所得Bについては税金を支払う必要はありませんが、所得Aについては税金を支払う必要があるということです。NISAは損益通算できないので、所得Aと所得Bを合算できません。これがNISAのデメリットの1つです。

繰越控除とは

例えば平成24年に株式の譲渡損失が100万円生じてしまい、翌年の平成25年に株式の譲渡益200万円発生した場合、平成24年に発生した分の損失100万円を翌年に繰越して、平成25年の譲渡益200万円から控除できることです。
繰越控除できれば、平成25年は200万円-100万円＝100万円に対して課税されることになります。これが繰越控除の意味です。

NISAのデメリットである繰越控除できないとは

上の例で言うと、平成24年は損失100万円であるため税金を支払う必要はありませんが、その損失を翌年に繰り越すことはできず、平成25年は譲渡益200万円に対して課税されます。これがNISAのもう1つのデメリットです。

NISAを利用して損失が発生した場合、営業マンから『自己責任』という魔法の言葉で片付けられて泣き寝入りしないよう十分にデメリットを理解しておく必要があります。

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