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【事例】社外取締役を置くことが相当でない理由とは?

      2017/05/31

ちょうど今から1年ほど前にこんな記事を書きました。

社外取締役を置くことが相当でない理由とは、どういうことか?

社外取締役を置くことが相当でない理由について、このときは施行直後ということもあり、ほとんど他社事例が流通していなくて頭を悩ませた会社もたくさんあったと思います。

けれど1年経過し、他社事例も流通し始め、経営雑誌などでも紹介され出しているので、他の会社がどのような理由にしているかについて紹介します。


社外取締役を置くことが相当でない理由 (他社事例)

まずは社外取締役を置いていない会社の開示例です。

当社は独立した立場から経営への助言や監督を強化するために社外取締役を設置することの有効性を十分認識しており、社外取締役候補者の選定を行ってまいりました。しかしながら、経営への客観的かつ的確な意見をいただくためには、業界に関する知見を有した方である必要があり、また、当社経営者から独立性を有する必要があると考えており、現時点では、これらの要件を満たす適任者の方の選定に至っておりません。仮に、不適任者を社外取締役として選任した場合には、単なるコストの増加のみならず、迅速な意思決定を阻害する可能性があるため、拙速に社外取締役を選任することは相当ではないと判断しております。

なお、コーポレートガバナンスの強化および企業価値の向上を図るべく、社外取締役を置くことについては、今後も適任と判断される人材の確保を検討してまいります。(ゲンキー)

次はオービスの実例です。

当社では、より良いガバナンス体制を構築すべく、これまでも社外取締役の選任について検討してまいりましたが、当社の経営規模や体制等を総合的に勘案し、当社が求める企業経営者としての経験や当社が属する木材(梱包用材等)・建設・太陽光発電・アミューズメント(カラオケ・ゴルフ場・フィットネスクラブの運営)等の幅広い業界への知見を有した適任者の方の選定には至っておりません。適任者でない方を社外取締役として選任した場合、当社経営の機動性等を損なう一方、取締役会に期待される機能が果たされない可能性があり、相当でないと判断しております。

当社といたしましては、社外取締役に客観的な視点により経営参加して頂くことは有益であることから、引き続き、当社の社外取締役として適切な人材の確保に向けて、検討してまいる所存であります。

この2社の“相当でない理由”を読むと感じますが、理由の方向性に共通点があるように思います。

具体的には、

業界への知見を有する適任者がいない→不適任者を選任した場合にはかえって経営に支障がある→(今後も適任者を探す)

というような流れになっています。

この流れが1つのパターンで、このパターンを“相当でない理由”としてマネする会社は増えるはず。

次は、年度末には社外取締役が選任されていなかったけれども、株主総会で社外取締役を選任する予定の会社(住友精密工業)の事例です。

当社は、当事業年度末日において社外取締役を置いておりませんが、その理由は、適当な候補者を選定することが困難な中で、拙速に社外取締役を選任することは取締役会における意思決定の迅速性が失われ、企業価値を損なう恐れがあると判断したためです。なお、平成27年6月26日開催の第69期定時株主総会において、社外取締役2名を含む取締役選任議案を提案させていただく予定です。

住友精密工業の理由も上の2つと理由の方向性が似ています。

社外取締役としての適任者がいない→不適任者を選任した場合は経営に支障

という理由の付け方が典型例のようです。

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