NISAや、教育資金の一括贈与に係る非課税措置など、メリットとデメリットを兼ね備える商品がありますが、このメリットを享受できる人はそれほど多くないはずです。おそらく、この2つの商品の登場で一番メリットがあるのは金融機関などでしょう。
というわけで、今回もNisaに関するお話です。
NISAを利用しない、たった1つの理由はそのデメリット
NISAのデメリットについて触れる前に、NISA口座の状況などについて記載します。
最近は新聞、CM、雑誌などで「NISA」に関する広告が増えてます。先日も記載しましたが、既にNISA口座の開設予約は322万件あるようで、最終的には600万件との予想もあります。
日経電子版のトップメニューには「NISA」のタグまで設定されてます。相当、NISAの広告収入で潤ってるんだろうと容易に想像できます。
このNISAに関する情報は、メリットだけが強調されて流れてるように感じます。
そもそも情報はバイアス(偏り)がかかるから流れるという性質があります。
まっ平らな平面にある水滴は動かず流れ出しませんが、その平面を少し傾けるとその方向に水滴が流れ出します。
情報も水滴と同じことが言えると思います。偏りがあるから情報が流れる。
NISAのメリットとデメリット
さて、話をNISAに戻します。結局のところ、NISAを利用するかどうかというのは、そのメリットとデメリットをどうとらえるかにあると思います。
メリット 譲渡益等が生じた場合は非課税
主なデメリット 損益通算利用不可 繰越控除利用不可
デメリットに関してはNISA口座開設予約322万件、デメリットを簡単解説を参照
このメリットとデメリットをどう考えるか。NISAを利用すれば、損益通算と、繰越控除は利用できなくなります。逆にNISAを利用しなければ非課税制度を利用できなくなりますね。
譲渡益が生じなければ非課税制度は利用できない。損失が生じなければ損益通算と繰越控除は利用できない。将来、益が生じるか、損が生じるかは確立的に50%。
安全策をとり、リスク管理に重点を置くならば損益通算と繰越控除を利用できる状況を整えておくべきだと思います。
確かに将来、NISAを利用し譲渡益等が生じれば税金を支払う必要はなくなりますが、NISAを利用せず損失が発生した場合、損益通算と繰越控除を活用すれば税金を支払う必要もなくなります。