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新たに登場する、出国税ってなんだ? 7月1日スタート

      2015/06/25

tax20150624

EXILEという男性ボーカルユニットがありますが、EXILEというのは亡命者という意味です。これに関連して、タックス・エグザイルという言葉があり、税金亡命などと訳されたりしますが、これを簡単に説明すると、課税根拠を失くして税金を払わないようにすることです。

タックス・エグザイルについて詳しいことは、下の本に書いてます。

さて平成27年7月1日から、聞き馴れない税金で、新たに出国税というものが登場します。

そこで今回は、出国税について簡単に説明します。


出国税とは?

出国税とは、言葉だけ見ると出国する際に発生するようなイメージを受けてしまいますが、決してそうではありません。

この出国税とは、簡単に言うと、日本の居住者が国外転出して非居住者になる際に、その保有する株式などにかかる含み益について課税される税金です。

また非居住者に対して、贈与などにより有価証券を移転する場合にも同様に課税される税金です。

なぜこのような出国税が登場したかと言うと、多額の含み益が生じている株式を保有したままシンガポールなどのキャピタルゲイン非課税国に出国し、その後に株式を売却し、納税を回避するという行為があったために問題になっていたようです。

この出国税ですが、国外転出に係る出国税と、非居住者への贈与等に係る出国税の2つのパターンがあるので、下でもう少しだけ突っ込んで説明します。

国外転出に係る出国税

国外転出に係る出国税ですが、この出国税は全ての人が対象になるわけではなく、次の要件を満たした個人が対象になります。

・保有する対象資産(※1)の時価が1億円以上

・国外転出の日の前10年以内で、国内に住所・居所を有していた合計が5年超の者

※1 含み益の対象資産は有価証券(新株予約権なども含む)、匿名組合出資持分、未決済信用取引等、未決済デリバになります。

不動産、貯預金は対象外です。

株式の場合は、上場株式だけでなく、未上場の株式も出国税の対象になるので、未上場会社の経営者は注意した方が良いと思います。

なお国外転出とは、日本の居住者から非居住者になることを指しています。

居住者とは、国内に住所を有し、または現在まで引き続いて1年以上の居所を有する個人ことで、非居住者とは居住者以外の個人のことです。

このように、日本の居住者から非居住者になる際に、多額の株式等に発生している含み益に対して出国税が発生してしまいます。

非居住者への贈与等に係る出国税

この非居住者への贈与等(贈与、相続、遺贈)に係る出国税の対象者も、上で説明した国外転出に係る出国税と基本的に同じです。

・保有する対象資産(※1)の時価が1億円以上

・贈与等の日の前10年以内で、国内に住所・居所を有していた合計が5年超の者

という要件を満たした者が、非居住者に対して贈与などした場合には、その含み益に対して出国税が発生します。

この非居住者への贈与等に係る出国税で、やや納得感に欠けるのは、贈与などをする方に出国税という譲渡益課税が発生する一方で、受贈者側でも贈与税や相続税が発生するという点です。

つまり、贈与等の1つの取引で贈与側と受贈側の双方で課税が生じるということです。

さらに受贈者の居住地国によっては現地の贈与税も課税される可能性があるようです。

このように出国税は、かなり重い税負担が生じる可能性があるので注意が必要です!

今回は、ざっくりした説明しかしていませんが、出国税が発生しそうな方は詳細な要件などを確認することをお勧めします。納税猶予の制度なども用意されています。

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