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【実録】資格と年収を斬る!資格を取ると本当に貧乏になるか?

      2017/10/15

ストレスが限界近くまで達した会社員は、「資格」を取って独立・開業を考えている方も多いのではないでしょうか。

そんな折、「資格を取ると貧乏になります」というタイトルの本を目にしました。

この本を読んではいませんが、今回は資格の業界に身を置いている自分自身の視点で、しかも実際に独立して会計士業務、税理士業務、司法書士業務を経験している立場から「資格を取ると貧乏になるか?」について記載してみます。

上の本を読むより、この記事を読んだ方が30秒で資格業界の実情がわかります。生の情報を提供します。


資格を取ると本当に貧乏になるのか?

弁護士、会計士、税理士、司法書士など資格を取って独立している友人をたくさん見ているし、自分自身もそのなかの1人として、各業界の実情をよく知っているので各々の事情について可能な限り、本音トークします。

弁護士の資格を取ると本当に貧乏になるのか?

弁護士は新聞などでいろいろと言われていますが、実際に周りにいる弁護士達を見ると、それなりに稼いでいるように見えます。彼らと年収の話をしたことはないですが、貧乏には見えない。弁護士の知人・友人は多いが、そもそもニュース等で話題になる貧乏な弁護士は見たことがないというのが実際のところです。弁護士の年収200万円などと雑誌などのコピーを目にすることがありますが、そういう弁護士はなかにはいるはずだが、超レアケースだと思う。

就活に関しても、マジメに就活をすれば内定は出ると最近、弁護士登録した友人は言っていました。

メディアなどで、弁護士は稼げないとか色々言われることが増えましたが、そんなことはないと感じています。他の資格に比べれば、弁護士はかなりマシです。

資格を取って独立しても9割超が食えず、挙句の果てに堂々と非弁をする士業もあり、実務をやらせても他の資格には勝てないので「セミナー屋」になって生き残らざるをえない士業もあります。

弁護士は、資格のなかでは一番、恵まれている資格だと思います。

ただ仕事はかなりハードです。弁護士に回ってくる仕事は、すぐには解決しない案件、手のかかる案件がほとんどだからです。なので、面倒くさがり屋の人は弁護士には向いていないと思う。

実際、相続(争続)などは、10年経っても未だに解決しない案件もあるそうです(大汗)。

逆に言えば、円満相続のような、スムーズに決着するように案件は弁護士にはなかなか回っていきません。当事者だけで解決できるからです。

公認会計士の資格を取ると本当に貧乏になるのか?

そもそも会計士(というより、監査人の場合)は世間の人が思っているほど高給取りではありません。大手監査法人のパートナーでも、責任が重いわりには、大手弁護士事務所のアソシエイトまたはシニアアソシエイトと同水準の給与しか稼げないと思います。

また、そもそも会計士の独占業務になっている監査はコモデティ化し既に価格競争になっていているうえに、売上アップに直接結びつかない監査に企業はコストを投資したがらない傾向にあります。1件あたりの監査報酬は縮小しているはずです。

将来的にも監査による売上は逓減傾向になるはずで、現在、監査法人は必至に監査業務以外に収益源を求めてます。

就職に関しては試験に合格しても就職できない時期がありましたが、監査法人は現在、人手不足なので売り手市場になっているようです。

監査とか監査類似業務しかできないと独立してからはかなり厳しい。

ちなみに会計士のメリットは、たくさんの上場企業やベンチャー企業などに訪問できる点にあると思います。どういうことかと言うと、訪問先で数多くの重要情報や機密資料、ノウハウ、組織構造、オペレーションなどをたくさん目にすることができる。この点が会計士になるメリットだと思う。

税理士の資格を取ると本当に貧乏になるのか?

基本的に税理士事務所は薄給で労働環境も良いとは言えないので、自ずと離職率は高いです。

税理士に限らず独立を前提とする資格は、雇われている期間に薄給となるのは、ある程度、やむをえないと思います。独立しなければ稼げない、ただ独立しても稼げるとも限りません。

また独立志向のある会計士が少数派なことと比べると、税理士は独立志向が強い人が多い印象を受けます。独立してナンボの資格です。

税務業務もコモデティ化していて顧問報酬は価格競争になっているのが現状で、他と差別化できなければ埋没するように感じるし、仮に差別化できたとしても価格でしか比較されないこともある。

税理士は期限のない科目別合格性なので社会人にとっては目指しやすい資格ですが、合格してもバラ色の人生は待っていません。会社員という身分の間も社内での競争はつきものですが、税理士として独立しても厳しい競争が待ってます。ただ競争があることは弁護士、会計士など他の資格も同様です。

税理士のメリットは、弁護士と同様、顧問契約を取ると毎月定額報酬が入って安定収入ができる点です。顧問数を増やせば、それなりの収入になり、経営が安定します。

税務と言っても、通常の税務顧問業務、相続、組織再編税制や移転価格までいろんな業務がありますが、税務顧問業務は全体的に見ても利益率が本当に低いと感じるし、周りの税理士もみんな同じことを言ってます。

司法書士の資格を取ると本当に貧乏になるのか?

意外に狙い目の資格かもしれません。弁護士や会計士のように無駄に合格者を増やさなかったことが幸いしたかもしれません。

周りに独立した司法書士はたくさんいますが、喰えない司法書士は未だ見たことがないというのが実際のところ。

マンションにかかわる登記を集中的に扱っている司法書士事務所は、会計士はもちろん弁護士よりも稼いでいる印象を受けます。

・司法書士のメリットは、事務所経営的に考えた場合、基本的には業務着手から入金までの期間が短いこと。したがって、資金繰りにとってはプラスのメリットになります。

例えば、弁護士などと比較すると、弁護士が受任した案件が長期間にわたる場合、着手金を得た後は業務完了まで数年間、その案件に関して、収入がないこともあるようです。このような場合、事務所経営の資金繰りにマイナスの影響があります。

・登記業務に関しては、仕事離れが良いことがメリットのように感じます。業務の利益率についても、税理士の顧問業務よりは利益率が高いように感じる。

⑤他の資格は省略

資格取得に将来性はあるのか?

企業数

中小企業・小規模事業者の数は、1986年以降長期に渡って減少傾向にあり、今回の集計結果でもそのトレンドが持続していることが明らかになりました。

(出所:いずれも経済産業省HP)

上の図は経済産業省が公表しているデータです。また「不況の原因はこれか?生産年齢人口の減少をグラフ化してみる。」で記載したように今後、生産年齢人口も減少します。

企業も人口も減少するということはBtoB、BtoCのターゲットも減少し市場が縮小するということです。企業はもちろん、資格取得者も厳しい競争が待ってます。

資格を取得すると貧乏になるかの結論

・資格を問わず、合格してもバラ色の人生は待っていない。スタートラインに立てるだけ。

・資格を取得しても貧乏になるかどうかは人による。資格にもよるが、貧乏になる可能性の方が低いと思う。

・容易に合格できる資格ほど、独立して食べていくのは相当厳しい。この場合、独立は自殺行為に近いので、組織内で資格を活かした方が良い。(簡単に取得できる資格の場合)夢を見て、無駄に独立することなかれ。マジで自殺行為です。

補足1:資格と仕事

最後に、資格と仕事内容について思うところを記載します。

資格、すなわち士業の仕事の本質は同じだと思います。

その本質とは、

調べる→調べたことをクライアントに提供する

士業の仕事の本質はこのことに尽きます。

したがって、必要最低限の調査力、リサーチ力が必要になります。

ただ資格によって、調べる対象が違います。弁護士ならば主に法律を調べます。会計士と税理士は主に会計と税法を調べます。

そして調べた情報をクライアントに提供します。

調べる対象が違うだけで、士業の仕事の本質は同じです。

もちろん独立した場合には営業とか、マーケティング的な思考力と行動も必要になります。集客できないと経営が継続しない。

補足2:資格と独立

資格を問わず、独立当初に気を付けなければならないことがあります。

それは、例えば、弁護士であれば、専門的な知識・経験があることはもちろん、その肩書に社会的信用があります。

その経験と社会的信用、肩書を利用して、商売をしようと企む輩が独立当初に案件を持ち込んでくることがあります。しかも持ち込まれる案件は、誰も引き受けないような案件が多く、トラブルになれば報酬に見合わない大きな責任だけが降りかかります。搾取されるだけ。

独立を検討している方は、独立当初、こうしたリスクがあることを頭の片隅に置いておくべき。

補足3:資格と女性

資格の取得は、男性よりも、女性にとってメリットがとても大きいと感じます。なぜかというと、結婚後でも自分にとって都合の良い時期に仕事に復帰できることが一番の理由です。

また会社だと女性の地位というものがまだまだ確立されていないという現実があるので、そう状況に比べれば、資格を取って独立した方がよっぽどマシ。自分の判断で好きなように経営できます。

その他にも理由はありますが、ここでは省略。

自分自身の周りにも、資格を取って活躍している女性はたくさんいるし、そうした女性は皆、活き活きとして仕事をしている方が多いように感じます。

ただ、資格を活かして活躍したいのであれば、食べれる資格を取ることが大前提です。

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