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脱サラ後、投資で失敗しないために1分で有価証券報告書を読む方法

      2014/04/03

急激に株価が乱高下すると「株価は長期的に理論株価へと収斂する」と唱えるトレーダーを見かけることがあるが、これは間違っている。
なぜなら過去からみた現在は「長期」にあたるはずで、「長期」にあたるならば常に株価は理論株価になっているはずだ。

さて、アベノミクスやNISAの登場で株式投資を開始・再開した投資家は多いのではないだろうか。株式投資をするときには有価証券報告書が役立つ。

この有価証券報告書(以下、有報)とは、ざっくり説明すると、上場企業が事業年度ごとに作成する経営情報を示した開示資料で、財務数値はもちろん、財務数値以外の経営に関する情報も記載される資料だ。この企業が作成・公表した有価証券報告書はインターネットで誰でも入手できる。

そもそも本気で株式投資をするならば企業が作成した有報をみることになる。有報を見ずして株式投資をするのは、投資ではなくて投機になってしまうからだ。

なお今回の投稿では有報に記載のある財務数値(FS)の読み方については詳細に記載しない。財務数値の読み方については以前記載した「経営者とビジネスマンのための財務諸表の見方と読み方」を参照することをお勧めする。

ところで有報に記載されている財務数値は過去の企業のパフォーマンスを表しているにすぎないが、過去と将来には連動性があるので企業業績の将来を判断するために過去の数値を無視するわけにはいかない。したがって企業業績の将来を判断するめたに過去の企業のパフォーマンスを表すFSは必ず読む必要がある。

有価証券報告書を短時間で読むコツ

さて、それでは有価証券報告書を見る場合、財務数値以外にどこを見るか?

例えばソフトバンクの有報の場合、平成25年3月期の有報は188ページもの分量がある。188Pの全てに目を通すほど、暇ではないはずなので、焦点を絞って読みたい。

また株価は企業の将来に影響を受けるので有報からは将来に影響を与える情報を読み取りたい。

したがって、財務数値以外にチェックする箇所は将来に関する情報が記載された箇所に的を絞って読む方が効率的だ。

将来に関する情報が記載される箇所としてチェックすべき箇所と考えるのは
①重要な後発事象
②追加情報
③対処すべき課題
④事業等のリスク

これらの箇所には基本的に企業の将来に影響を与える事項が記載される。したがって株式投資のために有報を短時間で読みたいならば、この4つをチェックすべきだ。

こちらから「EDINET」にアクセスできます。

有報をPDFで読む場合はキーボード上の「Ctrl」+「F」を同時に押すと、画面上部に検索欄が表れるので、そこに例えば「後発事象」と入力すれば該当箇所に迅速にアクセスできる。

上記①から④には企業の将来に影響を与える特に重要な事項が記載されるので、必ず目を通したい。

有価証券報告書を読む際の留意点

・有報はコピペして作っている

企業が有報をゼロから作成するのは相当なコストがかかる。したがって企業はコスト効率化のため、前年度と変更のない箇所は過年度の有報をコピペしている。

特に上記③と④は、前年度と変更点のない箇所はほぼコピペして当年度の有報を作成しているので前年度と大きな変更がなければ斜め読みでも構わない。

なお①と②はコピペして作成することには馴染まない個所なのでしっかり目を通したい。

ちなみにソフトバンク25年3月期の有報には

①として
ガンホー・オンライン・エンターテイメントの子会社化について
②として
スプリントの買収について

記載されている。

・ネガティブ情報の読み方

企業にとってはプラスの材料とマイナスの材料がある。プラスの材料はそれなりに詳しく有報に記載する傾向が強いが、マイナスの材料・ネガティブな情報については「近からずも遠からず」「遠からずも近からず」という表現・記載になるのが通常だ。ネガティブな情報を正直・詳細に有報に記載するマヌケな上場企業はないと考えた方が良い。

アナリスト等のプロならば有報を隅から隅まで熟読しているかもしれないが、それ以外は熟読はしないだろう。

今回は有報を短時間で読む際の着眼点についてまとめてみた。



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