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ベンチャー企業の年収と絡ませてストック・オプションと税金の件 ③

      2014/12/25

社員の給与を年棒制にすれば、一切残業代を支払う必要はないと思っているベンチャー企業の社長は案外、多いのではないでしょうか。もしかして、そのように思い込んでいる年棒制の社員も多いかもしれません。

もし年棒制を採っている上場準備会社が、残業代を一切支給していないと、証券会社などから指摘されます。

さて前回このBlogで「ベンチャー企業の年収と絡ませてストック・オプションと税金の件 ②」を記載し、税制適格or税制非適格ストック・オプションについて説明しました。

今回は、税金的に優遇される税制適格ストック・オプションの適用要件について記載します。


税制適格ストック・オプションの適用要件とは?

税制適格ストック・オプションとなれば、税金を支払うタイミングが遅くなるうえに、譲渡所得として税制非適格ストック・オプションの場合よりも税率が低くなるなどのメリットがありました。

このメリットを受けるためには、下で記載するような条件をクリアする必要があります。

ストック・オプションの付与対象者

付与対象者は、会社またはその子会社の取締役及び執行役、従業員になります。意外かもしれませんが、監査役はもちろん、会計監査人は対象外です。

また大口株主や大口株主の特別関係者も税制適格ストック・オプションの付与対象者からは除かれます。

大口株主とは、オーナー経営者など発行済み株式の3分の1超を保有する株主で、特別関係者とは大口株主の親族などが該当します。

従って、発行済み株式の3分の1超の株式を有するオーナー社長は税制適格ストック・オプションの優遇が受けられないことになります。

会社法の規定に基づき無償で発行されていること

税制適格ストック・オプションとなるためには、有償ではなく無償で発行される必要があります。

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ストック・オプションの割当契約で以下の要件が定められていること

・年間(暦年)の権利行使可能額が1,200万円まで
※権利行使時の株価ではありません。

・ストック・オプションは譲渡不可であること

・権利行使の際は会社法の規定に基づいて株式を交付すること

・権利行使可能期間はストック・オプションの付与決議後2年を経過した日から10年を経過するまで。

・ストック・オプションの行使価格は付与日の時価以上であること

・権利行使によって取得した株式は、発行会社と証券会社等との間で管理信託契約を締結し、この契約に従い保管委託などがなされること

・権利行使時に誓約書等を会社に提出すること

以上が、税制適格ストック・オプションが適用される要件になります。税制面で優遇を受けることになるのでハードルが高くなっています。



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