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大塚家具の内紛とプロキシーファイトRound2

      2015/03/16

前回の2105年3月6日

大塚家具が内紛に至った経緯と今後の戦略についてまとめ

について記載しました。

このときは、大塚家具の社長側(久美子氏)の中期経営計画について触れましたが、会長側の方針については記載していません。したがって、大塚家具の経営方針に関して会長側の方針と社長側の方針を対比して記載することはできませんでした。

ただ前回の記事をアップした同じ日に、会長側が企業価値向上策というものを公表していたようなので、今回は会長側の企業価値向上策について簡単に、感想などを交えながら、記載してみます。

※事前に断っておきますが、私は大塚家具の株主ではありません。客観的に感想などを記載します。


大塚家具の業績推移を会長と社長で比較

大塚家具が内紛に至った経緯と今後の戦略についてまとめ

でも業績比較について記載しましたが、その中で触れたのは過去5年分の比較だけです。なぜかというと、過去5年分の有価証券報告書しか開示されていないからです。

ただ今回、会長側が提出した企業価値向上策には、2003年以降の業績比較が掲載されていますので、ここで取り上げます。

※企業価値向上策そのものをアップしたいのですが、著作権上の問題により転載は不可
このブログの最下部に大塚家具会長側の企業価値向上策URLを記載します。

fight01(企業価値向上策を基に作成)

会長在任期間の業績平均値と社長在任期間の業績平均値を比較すると、確かに、会長が会社を指揮していた期間の方が業績は良好です。

会長が復帰した際の業績のおさらい

前回のBlogにもアップしましたが、2014年下期に会長が復権した時期の業績をアップします。

ootsuka02(出所:大塚家具中期経営経営計画)

上の図の、営業赤字が生じている2014年下期と2015年上期が会長が社長に復権した時期です。

会長側と社長側の主力商品の違い

会長側と社長側は、販売しようとしている主力商品も違います。

会長側→高付加価値戦略。祖父、父母、子共の三代にわたって愛され、家族で来店してもらう。

社長側→中価格帯の商品。

核家族化が進み、未婚率も上昇しているはずなので、将来的に家具屋に家族で来店する時代が続くかは疑問です。

広告戦略についても、会長側と社長側で対立

実は、広告宣伝費の使い方についても会長側の方針と社長側の方針の大きな争点の1つになっています。

会長側→広告宣伝費の投下が売上拡大に寄与。今後も広告宣伝費を投下する方針

社長側→広告宣伝費を抑制する方針

また会長側は、企業価値向上策のなかで、売上高と広告宣伝費の相関関係図を掲載し、

戦略的な広告宣伝費の投下が売上拡大に寄与することは、過去の業績が証明している

としていますが、大塚家具を問わず、業種を問わず、広告宣伝費を増加させれば売上高が増加するのは当然です。ただ売上高が増加しても利益が増加するか否かは別問題です。

会長側の役員人事

会長側の役員人事と社長側の役員人事も当然違っていて、役員人事に正解があるはずはありませんが、1点気になるのは、会長側の役員にマーケティング、ストラテジーのプロがいないのではないかと思われる点です。今回公表された企業価値向上案だけみても、会長側の役員候補にマーケティング等のプロがいるかどうかは判別不能です。

もしマーケティング等のプロがいないのであれば、補充した方が良いと思います。

大塚家具の幹部社員の8割は会長支持

企業価値向上策を見ると、大塚家具の幹部社員の8割は会長支持のようです。

よく“組織は人なり”と言いますが、この「人」とは株主のことではなく従業員のことなので、会長にとって幹部社員の支持は、現場を率いるうえで強い力になります。

一般論ですが、創業者・経営者に徳がなければ、こうした事態の場合に従業員から反旗を翻されます。

創業者であり、会社を上場させた会長はやはり、魅力的な方だと想像します。

幹部社員以外はどちらを支持しているか不明ですが、幹部社員が支持するとなれば、ほとんどの従業員は従わざるをえないはず。

ちなみに大塚家具従業員持ち株会は2.69%。

大塚家具の株主はどちらを支持するか?

メディアによると、社長は配当を2倍にするという提案し、会長は配当を3倍にすると提案しているようです。

短期のトレーダーなどは、会長支持になる可能性が高いと思いますが、少なくとも中期で大塚家具の企業価値を考えた場合は社長側が支持される可能性が高くなると感じます。

ただ戦略、戦術、計画が理にかなっていても、プロキシ―ファイトの結果を機に従業員のモチベーションが低くなれば計画の進捗も低下します。

会長側の企業価値向上策と社長側の中期経営計画を比べて

企業価値向上策と中期経営計画をみて、その内容はさておき、解り易さと見易さを比べると、中期経営計画の方がわかりやすくて見やすいと思います。

この資料の解り易さと見易さは、プロキシーファイトに影響を与えるはずです。

会長側が公表した企業価値向上策URLは下の通り
http://idc-proxy.com/pdf/pdf01.pdf



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