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公認会計士が伝えるビジネスハック。

ベンチャー企業の年収と絡ませてストック・オプションと税金の件 ①

      2017/09/23

先日、友人会計士とランチした際に「freee」の話題になりました。freeeとは、全自動クラウド会計ソフトのことですが、会社もソフトも未だ信用性が高くないので実務では使用していないとのこと。

確かに、全くその通りで、将来的にfreeeを利用する可能性はあるけれど、実際に導入するのは早いかもしれません。

既に利用しているのはイノベーターとアーリーアダプターくらいで、アーリーマジョリティには浸透していないんじゃないかと思います。

後日、既に独立している他の会計士のお話を聞いても、freeeについては時期尚早ということでした。

さて、今日はストック・オプションについて、税金も絡めながらのエントリーです。

税理士、会計士、弁護士などは当然、金融機関、シンクタンク関係者等は既に知っていると思いますが、ベンチャー企業で働くエンジニアやweb系の人はこちらの分野には明るくないと思うので取り上げてみます。

※ストック・オプションについて既に詳しい人は、以下の文章を読む必要はありません。


ストック・オプションの仕組みは?

まず、そもそもストック・オプションとは、会社が役員やエンジニアなどの従業員に対して予め定められた価格で自社の株式を一定期間内に購入できる権利を与えるもので、報酬の一環として機能します。

理解しやすいように図で説明。

so1
※ここでキャピタル・ゲインとは、行使価格と行使時の株価との差額とします。

株価10万円の時にストック・オプションを行使するとします。予め定められた行使価格5万円でストック・オプションを行使するということは、自社の株式を5万円で取得できるということです。株価10万円の時に5万円で自社株を取得すれば、キャピタル・ゲイン5万円となり、この5万円が自分の利益になるということです。これがストック・オプションの基本的な仕組みです。

ストック・オプションのメリットは?

ストック・オプションはインセンティブ報酬と言われますが、これはどういうことかと言うと、ベンチャー企業で働くエンジニアなどの従業員が一生懸命に働いて、会社の業績が上昇し、株価も上昇すると、キャピタルゲインが増える結果、所得も増えるので、従業員のモチベーションを上げる効果があるために、インセンティブ報酬と言われます。

ストック・オプションは、給与として従業員に報酬を支払うわけではないので会社にとって現金支出を抑えつ人材を確保できるというメリットがあります。

ストック・オプションを利用すれば会社は、ストック・オプションを目的とする優秀な人材を確保できます。

またエンジニアなどは、株式上場後、億単位のキャピタルゲインを得られる可能性があり、実際に上場後、従業員がS・Oを行使して億単位のキャピタルゲインを取得したというお話は聞きます。

詳しいことは書けませんが、従業員がストック・オプションを行使して中古マンションを一括購入できるほどのキャピタルゲインを取得した実例も見たことがあります。

株式公開を目指すベンチャー企業などはお金がないので、人材を確保するためにストック・オプションは頻繁に利用されています。

ストック・オプションで得られたキャピタルゲインは給与所得か一時所得か?

それでは、ストック・オプションで得られたキャピタルゲインは、給与所得と一時所得のどちらか?

なぜ、キャピタルゲインが、給与所得と一時所得のどちらに該当するかが問題になるかというと、どちらに該当するかで支払う税金の金額が変わるからです。

役員やエンジニアなどの従業員にとっては、一時所得に該当した方がありがたい。
支払う税金が少なくなるからです。

この点に関しては、以前争われたことがありますが、残念ながら「給与所得」です。

今回はストック・オプションについて、基本的なことしか書いていませんが、「ベンチャー企業の年収と絡ませてストック・オプションの税金の件 ②」に税制適格ストック・オプション、税制非適格ストック・オプションも含めて記載しています。



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